今日の一本 (世界最速のインディアン)

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 世界最速のインディアン(公式サイト)

 またしても「世間の評価がどうであれ、俺はこの映画好きだ」という映画。
ソニー・ピクチャーズでロジャー・ドナルドソンが監督っていう部分だけを見ると、
「はいはい乙。ハリウッドの量産エンタメムービーの一つですね」
となるところですが、ちょっと待ったぁ!

世界最速のインディアン
 サー・アンソニー・ホプキンスが、出会う人がみなそのキャラクターに魅了されてしまう愛すべきスピード狂の老人、バート・マンローを怪演しています。言うまでも無くハンニバル・レクターとは全然違うんだなこれが。さすがサー。
 そして監督がロジャー・ドナルドソン。
 彼はこの映画の製作と脚本も担当しています。
 いろんな記事を読むと、この映画ができたのは、私費まで投じたドナルドソンの情熱があってこそだったということがよくわかりますが、それがちょっと意外でした。
 ドナルドソンのフィルモグラフィをざっとおさらいしてみると、とてもこんな「個人的にこだわりの小品」を撮る人には思えませんもん。
 『カクテル』は当時売り出し中のトム・クルーズにフレアテンディングをやらせるというスター映画。
『追いつめられて』はケビン・コスナーの隠れた傑作サスペンス。
『ゲッタウェイ』は監督:ペキンパー、脚本:ウォルター・ヒル、主演:マックイーンの大傑作をアレックス・ボールドウィンでリメイクしたトホホ作。
爆笑必至エロSFの迷作『スピーシーズ/種の起源』、CGによるヴィジュアル・エフェクトとピアーズ・ブロスナンだけが見ものだった火山パニック映画『ダンテズ・ピーク』、再度ケビン・コスナーと組んだ外交・政治サスペンスの佳作『13デイズ』、コリン・ファレルとアル・パチーノの二枚看板『リクルート』はCIAの内幕暴露的な話ありーの、世代の違う二人によるバディ・ムービー的要素ありーの、『追いつめられて』にも似たどんでん返しもありーの、という欲張りな良質エンタテイメント。
ハリウッドのシステムの中で、与えられた予算の中で、企画の趣旨に則って過不足無く映画を撮る、いわゆる職業監督。これがドナルドソンのパブリック・イメージ。
ただ、そんな職業監督が、自分の撮りたいと思う映画を何の制約もなしで撮った映画。っても無論、予算的な制約は大いにあったことは、劇中のハイスピード走行中を描くヴィジュアル・エフェクトがお粗末だったことからも窺い知れますがね。
そして、脚本も書いているドナルドソン自身の「職業監督」としての卒のなさが、自身の一途な思い入れだけが空回りする自己満足的な映画になることを見事に防いで、愛すべき一人の老人を主人公としたコミカルなロード・ムービー、そして愉快なサクセス・ストーリーとして成立させています。
たとえばバートがアメリカのボンネヴィルを目指してニュージーランドを発つ時、誰も老いぼれの酔狂に付き合おうとせず見送りがいない中、かつてビーチでバートと競ったことのある暴走族が見送りに来るシーン。
アメリカに渡ってからの、ヒスパニック系の中古車ディーラーやゲイのモーテル受付係、原住民の老人、荒野の未亡人、休暇で帰郷しているベトナム従軍中の若者、そしてボンネヴィルで出会う大物レーサーらとの間に芽生える友情、愛情・・・いちいち娯楽映画のツボをきっちり押さえ「見る側を退屈させまい」という目的に沿って人物やエピソードが形作られています。
個人の情熱で、作家の作りたいものを作っているんであっても、決して観客をおろそかにしない姿勢はお見事。

 相変わらず、専門用語になると陳腐な誤訳が目立ってウザくって仕方が無い戸田奈津子ばあさんの字幕が多少気になるものの(字幕監修にモリワキが付いていながら「アクスル」と「アクセル」を間違えるたぁ、どういうこった)、実にいい映画を見せてもらいました。

ドナルドソンやるじゃん!そして何よりアンソニー・ホプキンス万歳!

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2007/03/02(金) | IQサプリメントで脳力アップ!~脳トレ・IQサプリメントで能力アップを目指せ
惚れた。信じた。追いかけた。 ■監督・脚本 ロジャー・ドナルドソン■キャスト アンソニー・ホプキンス、ダイアン・ラッド、ポール・ロドリゲス、アーロン・マーフィー、アニー・ホワイト□オフィシャルサイト  『世界最速のインディアン』 ニュージーランド南部
2007/02/27(火) | 京の昼寝~♪

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