今日の一枚 (ライブ / キキオン+リズマ・クノムバス)

裏MotorsportsFlashback。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
今回はDVDです。
このDVDのライヴは、吉祥寺MANDA-RA IIで、2005年の春に行なわれたもので、俺にとっては2度目(にして現在のところ最後)のキキオンでした。

彼女たちを最初に見たのは、2004年のPoseidonレコード主催の、『POSEIDON AQUA』というアコースティックミュージックのイベントでした。
実はアコースティック・アストゥーリアスも、このイベントがライヴ初体験でしたし、exiteブログ方面で時々お邪魔している『~猫と提琴~Fiddler's muttering』のヴァイオリニスト、キョウコさんの演奏を聴いたのもこの時がはじめてでした(っていうか『~猫と提琴~Fiddler's muttering』の管理人があの時のヴァイオリニストだった、って気付いたのは随分後になってからの話ですが)。
今にして思えば『POSEIDON AQUA』は出会いの多いイベントだった訳で・・・

キキオンは、小熊英二さんのアコースティックギターと佐々木絵実さんのアコーディオン、そして十時由紀子さんの唯一無二の個性的ヴォーカルが中心となり、さらに三人がライヴではそれぞれ複数の楽器を操りつつ演奏を進める、というスタイルのバンド?ですが、音的には、ジャンル分けが大好きな俺でも、ちょっとジャンル分け不能な音です。
ちなみに「音楽にジャンル分けなんて不要だ」という人もいますが、じゃそいつの家のCDラックはどういう並びになってるのか興味津々ですが・・・ってそんなことはどうでもよくて、キキオンです。

リード楽器が十時さんの操るコンサルティーナやインド式ハルモニウム(オルガン)、その他土着系楽器というか民族音楽系楽器というか、まあ所謂「ワールドミュージック」(表現がおそろしく古めかしいな)あるいは「エスニックミュージック」(これじゃもっと古臭いや)で使われる楽器になることが多いことから、彼女たちをエスニック・ロックとかトラッド・ロックとかいう風にカテゴライズすることもできますが、実際彼女たちの音楽を聴くと、
「そういうのとはちょっと違うんじゃないの??」
という気になります。
楽器は確かにそういうものを使って演奏していますし、実際に東欧やアジア、アラブのトラッドもやっていたりするんですが、彼女たち独自の解釈(アレンジ)と、十時さんの独特の歌詞とヴォーカルによって、エスノだのワールドミュージックだのという言葉から連想される音像とは全然違うものが現出します。
それはトラッド・ロックが一般的に持っているイメージの、癒し系とか懐かし系ではなく、むしろそれらと真逆の暗黒系、ゴス(って、ゴスはなんぼなんでも言いすぎかな)の色すら感じさせる音楽です。
耳に入ってくる「音」と彼女たちの作り上げる空気感のギャップの大きさは、彼女たちの持つ大いなる魅力ではありますね。
ただ、これだけカテゴライズしづらいと、売る側も大変そうで、メロウ・キャンドルやらスパイロジャイラ(米西海岸の能天気フュージョンバンドとは別の、イギリスのバンドの方です)、チューダー・ロッジなんかと同じ括りに入れているのを見ますが、これは彼女たちの今のレーベルであるポセイドンがプログレ専門レーベルであることから、どうしてもそうなってしまうっていうところでしょう。
で、ポセイドンが持つ流通経路、宣伝手段では、彼女たちの出す音を欲しがる層に完全には届いていないんではないか、という懸念はありますね(現にポセイドンのCDは広島では通販に頼る以外入手できない)

さて、彼女たちのライヴというと、その『POSEIDON AQUA』のときもそうでしたが、3人という人数で数多くの楽器を操る姿が見ものでもあります。
そのマルチっぷりと、使う楽器のヴァリエーションの幅は、Rushのゲディ・リーも真っ青という感じですね。
特にリズムセクションを持たない編成なので、十時さんと佐々木さんが、両手・両足を使って、リード系の楽器以外にリズム系の楽器を駆使しながら、ヴォーカル(コーラス)まで同時にこなす有様は、意地でもコンピュータなんかに頼りませんよ、とでも言いたげな姿勢を見せつけられるようでもありながら、同時にその動きはコミカルですらあります。
そしてその有様と、そこから紡ぎだされる音が、これまたギャップがあって、それもまた彼女たちの魅力になっています。
つまり、3人編成のキキオンのライヴとは、

見た目 - サウンド - 音楽の持つ空気感

この三つの要素の間にある大きなギャップ、そのギャップそのものも含めて、彼女たちの産み出す「作品」、キキオンそのものなんだな、と感じます。

そんなキキオンに、リズマ・クノムバスの二人が加わったのが、このライヴでした。
リズマ・クノムバスとは、ベースとヴォーカルを担当する梶山シュウさんと、パーカッションのくどうげんたさんの二人編成のリズム・セクションです。
くどうさんは、壺井さんとの活動を始めとして、中央線系シーンでよくお見受けするので、既に知ってはいたんですが、梶山さんはこの時のライヴが始めてでした。
スキンヘッドでバカテク、しかも時折挟み込むコーラスというかヴォイスの突飛さが、かのトニー・レヴィンをも髣髴とさせるものがあり、勝手に「こりゃ中央線のトニー・レヴィンだな」とか思っていたんですが、実はこの人、ごく最近知ったんですが、広島が活動拠点なんですねー。

てことで「広島のトニー・レヴィン」に訂正。

ここ広島で音楽に携わっている人(地元ミュージシャンとかライヴハウスのスタッフとかDJとか)に話しを聞くと、結構みんな「シュウさん」を知っていて、しかも、ハードなロックからジャズ、さらには民族音楽まで幅広くこなす腕利きパフォーマーとして一目置いているような話しっぷりです。
ウデはもちろん、きっと若い子からも慕われる人間性の大きさも持ってるんでしょうねえ。
それにしても自分の知っているミュージシャンが広島にいるのを知ると、なんだか嬉しくなりますね。

で、キキオン+リズマです。
リズムセクションを加えることで、キキオンの音がロックバンド然としたものになるであろうことは想像に難くありませんし、事実この組み合わせによるライヴを評したレビューでも、そういうことが書かれています。

前述の通り、3人編成のキキオンでは、そのアクロバティックな演奏と、結果生み出される音楽のギャップもまた、彼女たちの魅力である、と書きました。
が、リズム専門の二人を加えたことで、キキオン、とりわけ十時さんと佐々木さんが、リード楽器と歌に専念できる環境が出来上がったため、見た目と音の「ギャップ」という、キキオンの持つ一つの魅力がすっぽり抜け落ちた、と言えます。
ただ、それは決してネガティヴに作用する訳ではなく、むしろ、キキオンの音楽そのものが持つ本来の魅力がしっかりと打ち出され、純粋に音楽そのものを楽しめるものになっていたのは意外でした。
彼女たちが、決して、ギャップ「だけ」を売り物にするイロモノではないことが確認できるわけです。
そして、強力なリズムが加わったら、あのもの静かな佇まいのキキオンから、ここまでロック的ドライヴ感が産まれるんだ、というのも、聴く側にとってはとてつもない嬉しい誤算でした。

なんだか、ライヴレポになっていますが、DVDについても触れておきましょう。
ポセイドンレコードの初の映像作品でもあるこのDVD、サウンドに関しては会場となっていた吉祥寺MANDA-RA IIの音響特性がこういうアコースティック主体のユニットに合っていると思われる所為もあって、文句のつけようがありません。
映像面では、露光に関してはちょっといただけないというか、照明の具合によっては、白飛びしてしまう(特に十時さんの美しい顔が)のがちょっと気になりますが、小さなインディペンデント・レーベルが出すライヴ映像としては出色の出来で、カメラの数、アングルなどは、会場の小ささを勘案すれば上出来でしょう。
総じて、買って損はない、優れたコンサート映像だと思います。

この記事へのコメント
ああびっくりした。
イングマールは、女性シンガーが痛い人だったという強烈な印象が残ってて、楽器隊はあまり記憶にないという・・・
2008/06/29(日) 22:12 | URL | ◆RyoGAM(Owner of this weblog) #ICazf28Y[ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/06/28(土) 19:02 | | #[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://ryogam.blog4.fc2.com/tb.php/56-abb9080c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 Copyright © MotorsportsFlashback 弐 All rights reserved. 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。