今日の一本(神様のパズル)

裏MotorsportsFlashback。
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 色々な話を聞くと、ぜんぜんヒットしていないようだが、これは傑作だと思う。

 万人にお勧めできる、後世に残る傑作という訳ではない。むしろ、ちょっと癖があるので、観にいこう、という人は少ないかもしれない。
 でも、一年に何本か映画館で映画を見る人がいて、2008年印象に残った映画を10本挙げてよ、とかいう企画だと、必ず入ってくる。そういった企画でトップ1にはなれないかもしれないけれど、トップ10には入ってくる。俺的には『アフタースクール』とタメを張れる、今年唯一の邦画、日本映画2008年の二大傑作だけどね。
 三池崇史という監督は、こういった映画をよく作る。多作だけれども駄作がない、秀作と呼ぶにはあまりにも癖が強く、観る人、いや観ようとする人を選ぶかもしれないけれど、その関門を抜けて観にいった人たちみんなの心になにかしらを残す映画を撮る。それがVシネマに毛が生えたようなものでも、テレビ局タイアップの娯楽大作であっても。

 市原隼人谷村美月の、若い主演二人がとてもいい。特に谷村美月は、この映画がもし大ヒットしていたなら、少なくとも彼女の女優生活初期の代表作、といえるほどに、その存在感と芝居が際立って良い。特に天才ならではの孤独感がにじみ出ているあたりは、自らも「天才子役」「アンダー20の若手世代では抜きん出た演技力」とメディアで持ち上げられることが多いだけに、演技じゃなくて素じゃないの?と思わせるばかり。
 一人称が「僕」であったり(いわゆる「ボクっ娘」だな)、話し方がとってつけたようにつっけんどんだったりする、絵に描いたようなキャラ設定なのが、同年代の並みの女優さんが演じたらとてもじゃないが臭くなって見てらんないことになるところを、彼女の演技力と存在感が見事に成立させていると思う。

 そして、つっけんどんな物言い、自分で自分の周囲に殻を作ってしまうキャラであるにも関わらず、劇中で常に着用している水色のジャージとショートパンツから覗く(谷村のベビーフェイスから想像できないほどの)巨乳と綺麗な太ももが、その無機的なキャラ設定との「対称」(本作における重要なキーワードでもある)作用によって、強い印象を残す。

 映画のストーリーの根幹に関わる部分だけに、決して手を抜かずに、宇宙の成り立ちに関する物理理論を、学生のディベートという形式をとって説明するくだりは、娯楽映画の文法的には、「冗長」ということになると思う。
 でも、敢えてその「冗長」とも思える部分を、CGも交えながら、三池監督らしい力技と市原隼人の勢いのある演技でもって見せ切ってしまうあたりは、娯楽としての表層的な損得勘定に流されずに、この映画を映画として成立させようとしている三池監督らしい部分でもあるし、もっと言えば、角川春樹らしい部分でもあるんでしょう。
 尤も、だからこそこの映画が大ヒットしていないんだ、とも言えるけどorz
 映画界の風雲児と呼ばれていた頃の角川春樹なら、従来の文法を敢えて外してこだわった部分を残しつつも、逆にそれを興行的にも大ヒットに結び付けられるだけのものがあったのかもしれないけれど、残念ながら今の角川春樹には、その勢いは備わっていない。そこは、この傑作が世にあまり知られることがない、という部分において大変残念ではある。

 ラストカットの谷村美月の笑顔と涙。
 この映画のすべては、最後にあのワンカットに収束されていく。
 あのワンカット、あのホズミサラカ(谷村美月が演じる役名)の表情を、もっと多くの人に見てもらいたい。つうか早く観にいってくだしあ!もうじき終わっちゃう!

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