2006年09月

裏MotorsportsFlashback。
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フラガール(オフィシャルサイト) (公式blogはこちら
少なくとも今までに公開された今年の日本映画の中では、個人的な最高傑作と言いきれます。

フラガール
監督は李相日(り・さんいる)。故・今村昌平が設立した日本映画学校の卒業生であり、卒業制作の作品がPFFのグランプリを獲得、という、この種の娯楽商業映画を手がける若手としては微妙な経歴の持ち主。
この人の映画は『スクラップ・ヘブン』しか見ていませんでしたが、これが、出ている俳優達は、気鋭の映画作家による作家性の強い映画に出演することで自らのフィルモグラフィにバリューを得ようとし、一方の監督は監督で、加瀬亮・オダジョー・栗山千明といった決して万人受けはしないアクの強い個性派若手俳優たちを多くキャスティングすることで、映画そのもののエキセントリックさを加速する、という、今世紀のミニシアター系邦画にありがちな、なんとも独善的な(そしてあまりおもしろくない)映画だったというイメージしかありません。
そんな監督が、ここまでに見事な純娯楽映画を作るとは。正直、見くびってましたすいません。

俳優陣、特に蒼井優と松雪泰子がいいです。
蒼井はもう日本の若手女優の中では頭一つ抜けていると言える存在ですが、この作品でも見事な仕事をしています。
以前、「宮崎あおい・香椎由宇・堀北真希・沢尻エリカ」の四人を、この年代層のトップ4みたいな感じで書きましたが、考えてみたら(子役出身の宮崎は別として)蒼井はキャリアが長いとはいえ、この四人と同じ年代だということに今更ながら気がつきましたが・・・それにしても蒼井を含めた五人の出演作の公開ラッシュですなあ。
松雪泰子は、彼女のいままでのパブリック・イメージとちょっとズレた役をやっているんですが、粗暴だけど人情味溢れるはぐれ先生役を、これも見事にこなしていました。彼女の表情に、何度か涙が・・・
松雪泰子
でも、俳優陣に頼っただけの作品ではなく、何よりも脚本の構成というかドラマの組み立てが見事。
脚本は監督とは別の、ベテランシナリオライターだろ、と思ったら、ラストのクレジットを見たら(共同執筆ではありますが)監督が書いているんで、またびっくり。
ストーリーの大筋は、石炭から石油への産業構造の変節に伴い斜陽化が著しい常磐炭田が、炭鉱から出る温泉を利用して、『常磐ハワイアンセンター』を設立する、って書くと、『プロジェクトX』みたいなんですが(実際、そういう方向で見ても楽しいんですが)、決して「実話の持つ重み」だけに頼ったものではなく、きっちり作劇された、見事な娯楽作です。

「フラダンス」のイメージというか、なんでも、フラダンス、というのは正しい表現ではなく、「フラ」という言葉そのものに「ダンス」の意味合いが含まれており、単に「フラ」と言うのが正しいんだそうですが、スティールギターののんびりした音にあわせて手をゆらゆらさせながら腰をゆっくり左右に振って踊るものをイメージしていていましたが、そんな先入観が、序盤に松雪泰子が見せるダンスで打ち砕かれます。
そして映画的に最も盛り上がる、ラスト、竣工なった常磐ハワイアンセンターの晴れ舞台で、フラガールたちが踊るフラ。
そこに到るまでに周到に張り巡らされた、ガールズ一人ひとりの背後にあったドラマ。そのいろんなドラマを見てきているからこそ、ラストでフラの群舞を魅せるフラガール一人ひとりに限りない思い入れを感じ、エモーショナルかつパーカッシヴなサウンドの高鳴りと爆発的なダンスに、強いカタルシスを感じることができたんですね。
一人ひとりのダンサーたちが織り成す群舞、それぞれの背中に背負ったそれぞれのドラマが織り成す、まさにシンフォニックに構築された脚本の構成は、見事としか言いようがありません。

俺の周囲では、昨年、『オールウェイズ 三丁目の夕日』を劇場で見損ねていて、その後の好評に慌ててDVDになってから見て「映画館で見ればよかった」と後悔した人が結構います。
まずはそいつらに、
「また後悔したくなければ、今のうちに『フラガール』見とけって。あ、念のためハンカチ忘れないでね」
と言って回る日々が続いています。

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タグ : 日本映画 フラガール 李相日 松雪泰子 蒼井優

この世に生を受けてから今日まで、最も自分に影響を及ぼした映像作品といえば、それはやはり円谷プロのウルトラシリーズであろうことは、当の自分が一番よく知っているつもりです。
ええ、特撮スキーですとも。ゴジラだってガメラだって好きです。
特撮という言葉がいつしかSFXという言葉に取って代わられ、その後、「特撮」というのが、サブカル的「ジャンル」の一つとして認知される時代にもなりました(要するに「特撮ヲタ」というのが、ヲタクの一分類として成立したってことですが)。
でも自分にとって、特撮の原点とは、劇場映画中心のゴジラやガメラでもなく、等身大ヒーローの仮面ライダーでもなく、あくまでもウルトラマンでした。
ウルトラマンでジャンル系に目覚め、この種の空想モノに対する免疫ができていたからこそ、スター・ウォーズや未知との遭遇などの舶来SF映画にも抵抗なく入れたとも言えます。
ウルトラマンはリアルタイムで見たのは「帰ってきたウルトラマン」。それ以前のセブン、初代マンは年齢的にも再放送で見ていたクチです。
そんな自分が、「新シリーズ」として初回から欠かさず見続けたのが「ウルトラマンエース」。
初恋の相手は、何を隠そう、南夕子隊員でしたとも。ええ。
その後、タロウ、レオと見続けましたが、レオの後期あたりから徐々にシリーズそのものの持っていた勢いが衰えてきたのが、子供の目にも明らかになるにつれて、過去のシリーズを見たいという渇望に苦しむ日々(今みたいにDVDとかありませんし)。
幾度か訪れるウルトラのリバイバルブームの度に、再放送されるウルトラシリーズを見まくり、カードが流行った時は集めまくりました。
時が経ち、新しいウルトラマンが現れることもなくなって久しかったある日、「ウルトラマンティガ」という番組に出会い、過去のシリーズの流れから完全に独立した世界観の設定に一抹の寂しさを覚えつつも、その作品としての完成度の高さと、「新しいモノを作るんだ」という若い作り手たちの意気込みをストレートに反映したような新鮮な雰囲気に、新たな「ウルトラマン」との出会いを喜び、「ウルトラマンガイア」では、とても子供向け番組とは思えない大河ドラマ的なストーリー展開と、それまでにない高度な設定に、ヲタを離れた一人の大人のSFファンとしても満足させられ。

そんな自分にとって、まさに悶え死ぬほどに豪華な映画。

今年はウルトラ40周年という記念すべき年。
これを記念した新シリーズ「ウルトラマンメビウス」は、久々に、「光の国」と「ウルトラ兄弟」という設定を踏まえた新シリーズ、という触れ込みですが、残念ながら広島では、数週遅れ、しかも木曜日の真昼間という、普通の社会人が見ることは極めて困難な時間帯に放送されていますので、まともに見たことはありません。
それでも、このシリーズと連動した映画が作られている、しかも、あろうことか、

ハヤタ、モロボシ・ダン、郷さん、北斗さんが出演する!

・・・これを知った時点で即死。

スーパーマンがリターンしたとか、そういうの目じゃないから。てかどうでもいい。
ウルトラ兄弟が、その人間体を演じた俳優さん本人たち自身の出演で、見られる。
当時の変身ポーズもそのままに。

以下、もうまともなことは書けませんので、箇条書き。

  • 主役は現役ウルトラマンたるウルトラマンメビウス・・・の筈。でも我々「大きなお友達」のためのサービスシーンが満載。今の子供達にこの面白さが伝わらないのが歯がゆい!
  • 北斗さんは劇中、ちゃんと白いマフラーをしている!
  • 放送当初、すらっとしたモデルらしい長身で格好よかった郷さんが、一番ギャップがあったかも。でも佐伯日菜子版エコエコアザラクのお父さん役なんかで時々見かけていたので、ショックは少なめ・・・
  • 4人の先達のキャラが、ちゃんと老いてもなおそのままなのが素敵。特に北斗さん。末っ子らしい向こう見ずなところ。それを嗜める役回りのハヤタとダン。そして郷さんは、そんな両世代の間に入って、北斗に次ぐ熱いキャラ。
    ハヤタ「今度負けたら、どういうことになるか・・・」
    郷さん「勝てばいいんです!」
    ・・・いやあ最高!
  • 4人の兄弟の人間体のうち、北斗さんの登場シーンが最高。顔が映る前に、手のアップ。そこにはウルトラリングが・・・
  • ハヤタさんはともかくとして、あとの3人が、やっぱり放送当時のキャラからちゃんと繋がっている職に就いているのも素敵だね。
  • 「板野サーカス」全開!超獣「Uキラーサウルス」は、体中からベロクロンもかくや、というくらい無数のミサイル?を発射するけれど、それを迎撃したり避けたりしながら飛び回るウルトラ兄弟!
  • 他の兄弟が「シュワッチ」「ヘェアアァッ!」なのに、セブンの声がちゃんと「ジュワ!」になっているのも素敵。
  • ザラブ星人の声が、放送当時と同じ声優さんなのも感激。
  • エースがメタリウム光線を放つ時、ちゃんとバックスィングするのにも感激。
  • タロウのストリウム光線の時に体中がハレーションを起こすような効果、あれも再現されていた!
  • 巷では「ゾフィー最弱説」があるが、そんなことはなかったね。M87光線をじっくり見れた。
  • 地味ながら、ちゃんと帰りマンの「流星キック」が見られたのもいい!
  • 変身シーンの光学合成素材が当時のままなのが、これも感涙モノ。
  • そういえばタロウ=東光太郎役の篠田三郎さんが不参加なのはちょっと残念・・・
  • 俗に言う「平成三部作」、それに続く「Nプロジェクト」に出ていた俳優さんたちもゲスト的に出ていたのもよかった。40周年、先祖がえりと言っても、あの作品群がなければ、ウルトラシリーズが続いていたかどうか・・・
  • ある意味、本編以上に感動的だったのは、エンディングのタイトルバックで流れる過去の映像のフラッシュバック。ハヤタ、ダン、郷さん、北斗さんの4人だけでなく、MATの南隊員、そしてフジアキコ隊員!アンヌ!夕子さんが!
    いやあ、それにしてもアンヌことひし美ゆりこさんはかわいい。もういいお年だと思うけどね、なんてかわいいんだろう。
  • それにしても、「平成三部作」で全く新しい「人間・ウルトラマン」を描き出した後、「Nプロジェクト」を挟んで「ウルトラマンマックス」で、「タロウ」もかくや、というほどに「明るく楽しい」ウルトラマンに、いわば先祖がえりしたけれど、こんどはもっとストレートに、かつてのファン達のノスタルジーを刺激するという方策に出てきたのは、冷静に考えればどうなんだ、という気もするけど。
  • でも、作り手達は、これを作り始めた瞬間、そういう建前論はぶっとんだんだろうな。見るほうもぶっ飛んでるもんな。
  • 音楽がいい。殆ど全編に渡ってBGMが鳴り響いているという感じだけど、しょっぱなに鳴り響く勇ましいファンファーレから一転、宇宙での4兄弟と超獣の死闘での重厚な曲調、さらにマン、セブン、帰りマン、エースの各テーマを効果的に使い、クライマックスでここぞとばかり鳴り響く「ウルトラ六兄弟のテーマ」。音楽だけ聴いても、何度も死ねます。
  • 「ティガ・ダイナ・ガイア」は、脚本が素晴らしく、映画としての完成度も高かった。
    昨年春の「ULTRAMAN」の「ハリウッドのアメコミ原作と同様の手法で、誰もが知っている普遍的なヒーローを大人の鑑賞に堪えうるエンタテイメントとして蘇生させる」志の高さもすばらしかった。それらに比して、純粋に映画としてどうか、と言われれば、一段落ちるとしか言いようがないけれど、そういう尺度で測れるものではないし、測るべきでもない
    見終わって劇場を去る時に得られる満足感では、それらの作品はこの作品の足元にも及ばないと言っていい。
とりあえずもう一回観に行く。絶対いく。

いやー、今、映画の『電車男』をテレビで見ながら、2chの実況チャンネルに参加しようと思ったんですが・・・

流れ速すぎますよおまいら

やっぱ俺にとっては、モータースポーツ実況板くらいの人工密度で、実況対象専門のヲタが集いながら、濃度の高い盛り上がりに身を委ねる方が合ってますよ。

それにしても、やっぱりこれ、普遍的にいい映画だと思いますよ。
劇場に行ったときは、周りの客層が、20代前半のカップルばっかり(しかも超満員)だったので、驚いたものです。
だって、これってそもそも、ヲタ男と負け犬女のためのファンタジーだったんじゃないのかよ、って、その時は思ったものです。
嗚呼、こんな俄か作りのインスタント映画なのに、ほんとにいい映画だよなあ、これ。 興行面も含めて、これは2005年邦画界の奇跡だと思いますですよ。

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