ユメ十夜

裏MotorsportsFlashback。
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せっかく東京に行ったんだし、広島じゃまだ見られない映画とか、広島じゃ今後永遠に見られない映画とか、とにかく見よう、ということで3本見たのが以下。

虹色★ロケット
下北沢にある短編映画専門の映画館、短編映画館 トリウッドにて。
観終わったあと、すごくニュートラルに清清しいというか、必要以上に感情を動かされるわけではなく、でも観てよかったと思わせられる、いい映画でした。

芸術的銀河科――
かつて生徒が作ったそのおかしな学科に、不思議な転校生がやってくる。名前はユカ。
持ち前の明るさでユカはすぐにメンバーの環に溶け込んでゆく。
薬物依存やイジメ、恋人の死。様々な過去を生きてきた仲間たちの中で、自殺未遂をしたミナミだけが、未だに"それ"を乗り越えられずにいる。
そしてユカもまた、難病に冒され、壮絶な過去を抱えていた。
誰にも変えることが出来なかったミナミ<死にたい者>の想いと、全てを捨てる決意を固めたユカ<生きたい者>の覚悟が衝突する…
果たしてその先に待つものとは?
「生」と「死」、どちらにも真っ正面からぶつかってゆく7人と、それを見守る顧問のトムやヤブ医者ハルカ、意地悪な神様。
厳しい冬を優しくあたためるような、それぞれの命の物語。
「広島じゃ今後永遠に見られない映画」だろうねこれ。
同じ学校に通う高校生が、学校からの依頼で撮影した、いわば「教材」。
完全に自主映画です。しかも、高校生の映像制作集団が作ったといっても、ポイントは「学校からの依頼で」という点。
つまり、若い世代のクリエイターが作ったものなのに、これは大袈裟に言えば「体制側」からの要請で作ったものであって、ありがちな反体制とかそういう部分は皆無。
世間では大層な褒め言葉が飛び交っていますが、所詮はプロではないアマチュア集団が作った作品だけに、技術的に云々するのは完全にお門違いでしょう。
でもこの映画の持つテーマ、まあそれは「生きること」「命の大切さ」なんだろうけれども、それをこれだけ綺麗にまとめた脚本は見事でしょう。果たしてこの手垢にまみれたテーマを、ちゃんとエンターテイメント性を含ませながらも、これだけきっちりとまとめられる「プロの」脚本家がいるでしょうか?
ごく最近、渡辺文樹の『御巣鷹山』(ひどい映画!)を観て酷い脚本に幻滅させられただけに、余計そう感じます。って比較対象が酷すぎるか。
しかも時折劇中に飛び交う「セリフ」の秀逸なこと。

「生きる覚悟は、できたか?」

こんなセリフを、何の衒いも無く使えてしまい、それが劇中でイマドキの高校生に喋らせても全く違和感がないキャラ造形はお見事としか言いようがなく、もしかしたらこの脚本は奇跡の賜物か。。。
主演の高校生7人、芝居が自然とか不自然とかではなく、脚本、キャラ造形が見事すぎて、芝居しているという状態じゃあないんでしょう。殆ど素。だがそれがいい。女性陣が特に素晴らしい。

長州ファイブ
シネマート六本木にて。
こんなとこに映画館あったっけ?ちょっと離れただけでガラッとかわっちまう、それが東京。
近代日本の礎となった、長州藩から英国へ密航した五名の若者、即ち井上聞多(後の馨、初代外務大臣)、遠藤謹助(大阪造幣局局長)、伊藤俊輔(後に博文;初代内閣総理大臣)、野村弥吉(後の井上勝;国内初の鉄道敷設に尽力、初代鉄道局長官)、そして山尾傭三(現東京大学工学部を創設、国内初の聾唖学校設立に尽力)。
五名の中で最も知名度が低いと思われる山尾傭三を主人公に据えたことが、物語の自由度を高めたと言えましょう。
そしてこの映画、なにがいいといって、松田龍平。
『御法度』で出てきた時は、なんだか生っ白くて気持ち悪いなあ、親父さんの持つ男っぽさが全然ないや、と思ったんですが、いつのまにか親父の幻影などどこ吹く風とばかり、実にいい役者になりました。
彼が演じた、形の上では武士を捨てつつも心情的にはサムライであり続けた山尾傭三の潔さ、美しさ、男臭さ。
そのキャラがこの映画を支えているし、ひいては松田龍平自身がこの映画を支えていると言えます。『悪夢探偵』も観にいこうっと。

ユメ十夜
シネマスクエアとうきゅう。
単館系の雄として名を馳せたのも今は昔。。。新宿近辺にもシネコンができたり、古い劇場もリニューアルしたりすると、あの妙に前後に長いレイアウトといい、酷い音響といい、もうその役割を終えたと言っていいんじゃないですかね。
あえて「シネマスクエアとうきゅう」を名乗らず、「新宿ミラノ4」でいいじゃんか。
劇場の話はともかくとして。
原作も漱石の作品としては極めて異色ですが、これを10人の映画監督で10分程度の小品を集めたオムニバス。
大御所市川崑から、異端実相寺昭雄(合掌)、Jホラーの旗手清水崇、西川美和とか山下敦弘とかの新進気鋭の作家たちまで、10人の作家のイマジネーションを無心で楽しむ映画。そして、誰それの作品がいいだの悪いだの言い合う。
シリアスにならず、とにかくそういう楽しみかたをする映画で、あまり各作品について細かく考え詰めるものではないです(実際、展開がまったくもって意味不明な作品も多々あり)。
ただ、やっぱりもうちょっと各エピソードを細かく見直したいですね。ということで広島で公開されたらもう一回観ようそうしよう。

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